5.スタンレイへの興味

 スタンレイは、ブルーベリーの母国アメリカでも、そして日本でも、栽培の主要品種としては、ほとんど注目されなかった品種といえます。おそらく、果実サイズにおいても、果実品質においても、当然、その後継品種に及ぶものではなかっただろうと想定されます。しかし、ブルーベリーの品種改良の歴史を考えると、スタンレイは交配親としては、注目すべき実績を残しているのでした。

 スタンレイが直接の交配親になっているものだけで、デキシー、コビル、バークレイ、ハーバート、アーリーブルー、コリンズ、アイバンホーなど数多くの優良品種が存在します。さらに、ビッグセブンの7品種すべてにおいて、スタンレイは直接または間接の交配親として関わっているのでした。私にとっては、このような事実が、スタンレイに対しての興味をさらに増幅させるものとなっていったのでした。

 ハイブッシュ系ブルーベリーの元祖が、1911年に野生種から選抜されたルーベルだとするならば、スタンレイはその直系の改良品種として、極めて重要なポジションにあるのです。そして、なによりも、交配親としては、最も数多くの優良品種を世に送り出している品種だといえるのです。

 1930年に発表されたスタンレイは、もはや過去の品種であり、その後開発された多くの品種が、すでにこの果実品質やサイズを凌駕していたに違いないでしょう。また、推測するに、他品種と比較するならば、栽培品種としては、その優位性が認められなかったため、扱いが急激に縮小していったものと思われます。なぜならば、スタンレイよりも古い品種であるランコーカスやジャージーは、いまだ栽培品種として生き残っている地域がいくつも存在するからなのです。

 したがって、今後も、栽培目的でわざわざスタンレイという品種を選択する必要性など、たぶんどこにも存在しないでしょう。しかし、ハイブッシュ系ブルーベリーの品種改良の歴史において、スタンレイはルーベル同様に、まさに「遺産的価値がある品種」としては、極めて存在意義がある品種であると私には思えるのでした。

 だから、私は、本物のスタンレイという品種とは、一体どんなもなのかということに強い興味と関心を持ってしまったのでしょう。