23.スタンレイの写真

 写真にあるスタンレイの果実や葉の形状を詳細に見ると、それは、どうも今まで見た既存品種とは異なる形状のもののように感じました。葉の色が、南部ハイブッシュ系品種に近い色に見えることもあるのですが、これは古い写真であるため、カラーバランスが崩れた色褪せによるものかも知れなかったのです。

 したがって、色調は考慮せずに、実や葉の形状を確認すると、やはり一度特定したスタンレイとは葉が全くといっていい程違うものでした。少なくとも一度確定したスタンレイは、やはりこのスタンレイの写真とは明らかに別品種だといえるのでした。また、葉に鋸歯が全く見られないため、石川県柳田村のスタンレイとも、もちろん一致しませんでした。

 やはり、1952年に導入されたスタンレイには、少なくとも2つのスタンレイがあったということになるのでしょう。

 さらに、この写真からは、日本全国で非常に多く栽培されている初期導入されたブルークロップの異品種とされるものとも似ていると思われたのですが、実の粗密感が若干異なる気がしたので、これとも違うものだといえるでしょう。かなりの接写でない限り、写真での品種同定は不可能に近いと思われました。もしも、この写真の品種が、ブルークロップの異品種でもないとするならば、さらに私の見たこともない品種が新たに1つ存在していたことになるのでした。そして、これが本物のスタンレイだとするならば、それは日本では、ほぼ姿を消してしまった品種ということになるのでしょう。しかし、一度日本に導入されながらも完全に姿を消した品種は、あまり存在していないのです。そして、それらは、品種改良の親品種としても注目に値しない品種なのです。さらに、品種が不明な小粒種でさえも、古いブルーベリー園には必ず残存しているものなのです。にもかかわらず、スタンレイだけがどこにも見あたらないのです。とするならば、スタンレイという品種は、結局日本には1本も導入されなかったということなのかも知れないという思いが頭をよぎったのでした。

 しかし、小町園松澤社長は、かつて自らがスタンレイという品種を同定したと語りました。つまり、日本にスタンレイという品種が、確実に存在したのは間違いない事実だったのでした。私は、小町園の松澤社長の経験は信じるに価するものだと確信していたので、いまだスタンレイとの出会いの可能性は残されていたのでした。

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