24.可能性としてのスタンレイ

 以上、日本では、本物のスタンレイを確実に同定することは、極めて不可能に近かったといえるでしょう。また、品種混乱の歴史と時間経過を考慮するならば、母国アメリカにおいても、スタンレイの故郷ニュージャージー州においても、もはや品種同定は不可能かも知れないのです。しかし、すべての可能性を考慮するために、事実と推察をまとめてみました。

  1. スタンレイは、北部ハイブッシュ系品種の交配親として最も多くの優良品種を生み出した極めて優秀な親品種である。
  2. 交配において親品種とされるものは、果実品質やサイズはもちろん、形質においても優れたものが選ばれるはずである。
  3. 親品種としての優秀さと、栽培品種としての優秀さとが、全く別のものであるとは考えにくく、スタンレイはそれなりに優秀な品種であるはずだ。
  4. スタンレイが、それなりに優良な品種であるとするならば、同時期に導入された古い品種同様、完全に淘汰されてしまうはずがない。
  5. かつて日本にスタンレイとして導入された品種は確定できたものの、それがスタンレイであるという確証はない。また、2を考慮するとむしろその確率は低い。
  6. 写真が残るもう一方のスタンレイとされた品種は、同様に古い品種がいまだ残存しているにもかかわらず、ほとんど姿を消しているため4の推測と矛盾する。
  7. 品種に信頼の高い種苗会社にスタンレイの扱いがないのは、栽培品種としての不適格さだけでなく、品種としての信頼性の問題もあったと考えられる。あるいは、いまだ見えていない別な理由が存在する。
  8. 日本に初期導入されたブルーベリー苗は、すべてにおいて、その品種自体の信憑性が極めて低いものといわざるを得ない。
  9. 日本に初期導入された品種群で、全く品種名が不明なものが幾つか現存しており、それらのどれかがスタンレイである可能性も十分考えられる。ただし、その中に混じって、本物のスタンレイが日本に導入されていたことを前提とする。