ブルーベリージャムについての考察(2)

 私は、強いこだわりを持って実際にブルーベリージャムを作っている人や、古くからの生産農家におけるジャム作りのノウハウなども取材してきました。

ブルーベリージャム

 実際、滋賀県大津市のブルーベリーフィールズ紀伊國屋のジャムは、独自の品質管理と素材調達方法によって最もばらつきの少ない上質なジャムを実現しています。青森県中里町(現中泊町)ブルーベリー直売所のハーバート単品種のジャムは、その食感において右に出るものはないでしょう。宮城県蔵王町蔵王ブルーベリーファームでは、ジャージーとルーベルの二品種だけは単品種でジャムを生産し、その個性を誇っています。また、私自身が興味本位で長野県信濃町伊藤ブルーベリー農園の協力を得てランコーカスだけで試作したジャムは、香り高く濃厚で美味いものでしたが、製品化はされないでしょう。同じく長野県信濃町KAWASUNブルーベリー園では、徹底した選果により期待を裏切らないレベルを常にキープしたジャムを生産しています。

ブルーベリージャム

 しかし、私の考える「本当に美味しいブルーベリージャム」あるいは「究極のブルーベリージャム」というモノサシでは、いまだベターではあるもののベストには辿り着いていません。品種ミックスを含め各地での品種選定は、その地に存在する品種の中でのベスト、あるいは自らがテイスティングした品種内でのベストだと思われます。また、専門のジャム作り職人の方の考え方や作り方に依存してしまうこともあるでしょう。

 これはいまだ日本で歴史が浅いブルーベリーのある意味仕方ない姿でもあり、ビジネス展開上仕方のないことでもあるのでしょう。しかし、ブルーベリージャムを「本当に美味しいブルーベリー」に対する二次的なものと考えずに、唯一無二の究極のジャム開発と位置づけて、是非ともさらなる追求に期待したいと思います。それは、私自身がブルーベリーという果樹は生食のみならず加工にも極めて優れた食材であると同時に、いまだ生産者が各品種が持つポテンシャルを完全には引き出してはいないと考えているからです。

 

注)宮城県蔵王町蔵王ブルーベリーファームで「ルーベル」とされている品種は、私の見立てでは「品種X(ブルーベリー大図鑑P.321)」だと考えています。