加工素材としてのラビットアイブルーベリー(1)

 ハイブッシュブルーベリーと比較してラビットアイブルーベリーの果実品質を低く評価すると、必ず反論があるようですが、私はこの現実を直視すべきだと思っています。私自身は、ラビットアイブルーベリーの完熟果においては、その栽培技術と収穫技術を極めることによって、ハイブッシュブルーベリーと同等かそれ以上の果実品質を誇るいくつかの生産農家を知っています。

ラビットアイブルーベリー

 しかし、ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの果実品質を総合的に評価するならば、ラビットアイが劣るのは事実です。さらに、加工品においては完全に太刀打ちできないといってもいいでしょう。それは、どうしても果皮の固さと種子のサイズが食感として気になることが原因です。果皮の固さは、もちろん品種にもよりますが、加熱によってさらに顕著に感じられるものが多数存在します。また、種子の比重が重いため沈殿したり集積した場合に、その不快感は増大します。

 確かに、それらが解消されたラビットアイブルーベリーの新品種が生まれ、今後さらに改良が進むことも事実でしょう。しかし、ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーは、むしろ別の性質のものと捉え、この事実を前提として対処した方が得策だと考えています。

ラビットアイブルーベリー

 ハイブッシュよりもラビットアイの方が好きであるとか、美味いと言っている生産者を私は知っていますが、それは、ハイブッシュが育たない地域の生産者であることも事実です。最も美味しい時期のラビットアイと美味しくない時期のハイブッシュを比べるならば、そういえることもあるかもしれませんが、客観的に考えるならば、そんなことはあり得ないでしょう。

 また、これからもどうにか通用するであろう一部の優良品種を除いて、過去のラビットアイ品種を増殖するのはいかがなものかとも考えます。実際、生産農家にとって、収量が見込める成木に育った株をリプレイスするのは勇気と決断のいることでしょうが、その覚悟なくしては、遙か昔に私が問題提起した「極めて少量の本当に美味しいブルーベリー」と「極めて大量の美味しくないブルーベリー」の比率は永遠に変わることはないと思うのです。