NTTコミュニケーションズプロジェクト(2009年)

 その後も、日本各地の生産農家の奮闘にもかかわらず、ブルーベリーの本格的な市場化はいまだ実現しているとはいえませんでした。私自身もブルーベリー大図鑑改訂の期待を受けつつも、相変わらず期待外れな新品種の登場や、日本における愚かな種苗登録問題等により、あきらめに満ちた現実からブルーベリーに対する情熱を失っていたのも事実でした。

 そんな折、2009年にNTTコミュニケーションズから、ブルーベリープロジェクトのオファーがありました。それは、いまだ市場化が実現されていないものの有望と思われる「食」に関する幾つかのジャンルをターゲットとした市場活性化への取り組みでした。これは、同時にNTTコミュニケーションズが標榜するICT(Information Communication Technology)を前提としたCSR(企業の社会的責任)活動でもありました。

NTTコミュニケーションズプロジェクト

 私は、自らのビジネスの真逆ともいえるブルーベリーの世界に多大な興味を持ち、その勢いに任せて一気にブルーベリー品種の体系化と集大成を行ったともいえます。そして、その成果が対極にあると思っていた自らのビジネスと結びつき融合したようなものだったのです。2009年、私のブルーベリーに向けた活動は、このプロジェクトとともに再開しました。そして、再び活性化するとともに、さらに広範囲にわたる全国の生産農家を訪ねることができて、新たな発見やノウハウの修得に繋がった気がしています。

 具体的には、ブルーベリー品種のさらなる特性とポテンシャルの把握、加工品としての可能性、流通に適した品種と適さない品種の多角的把握、気候や地域性による品種選択などが検証できたといえるでしょう。これらの成果は、この「著作と活動」のパート、および「研究と評論」のパートで個別の課題に沿ってまとめましたので参照してください。